純氷の作り方5.脱氷

純氷の作り方5.脱氷

5. 脱氷

氷は、大変デリケートな物質で、急な温度変化に対応できません。 そのため氷販売店の保管用の冷凍庫は、せいぜい-10℃前後程度です。 一般の冷凍倉庫(-20℃以下)ほど、低くはありません。 あまり低い温度の冷凍庫で保管をしていると、外に出した時の温度差で、大きな音を立てて割れることもあります。

アイス缶から氷を取り出すことを、「脱氷(ダッピョウ)」といいます。 -10℃のブラインの中で完成した氷を、アイス缶から抜くときは、大変慎重に行う必要があります。 常温の水をかけると、クラック(ヒビ)が入り、商品にならなくなる場合もあります。 ブラインから出たアイス缶は、しばらく放置し、ゆっくりと温度がなじむのを、待たなければなりません。

また、アイス缶にも工夫があり、間口が奥よりも広くできていて、テーパーがついています。 家庭用冷蔵庫の製氷皿でも、同じですね。 また、缶の中心部に、奥から間口方向に幅2cm位のへこみがついており、缶の強度を高めるとともに、スムーズに抜けるようになっています。 純氷の脱氷では、氷が自然と出やすい条件を作り、温度がなじむまで時間をかけて待ちます。 デリケートな氷に傷をつけることないように、細心の注意を払います。

自動製氷機では、完成した氷が早くセル(1粒の大きさで2~3cmのマス)から落ちなければ、次の氷を作れません。 そのため、早く落とすために、セルをホットガスという高温の媒体で温めています。 セル内部の氷の表面を溶かし、セルから氷を落とすのです。 このようなことをするのは、脱氷に時間がかかるからなのです。 ホットガスをあてると、氷は、たくさんクラックができ、透明度が大きく落ちます。 しかし、次の氷を作るセルが空きますので、また製氷を開始できるのです。

同じ氷ですが、製氷機の氷と、純氷では、役割が違うのかも知れません。 「純粋で、溶けにくく、美しい」氷を追求する純氷と、比べて、製氷機の氷は、「身近で、一般的に普及」して、尚かつ「生産能力」を求められていると言えます。

自動製氷機の氷の作り方

‐25℃の冷却版に水道水をあてて製氷
ホットガスで氷を温め、セルから脱氷

 

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